ものおもいのほほん

ゆるゆるとおもいのまま

❝地震が来るぞー❞と言い続けるオオカミ少年の正体

38年ぶりにハワイの活火山マウナ・ロアが噴火。

観光客は赤々と流れる溶岩をバックに写真撮影。

「こんな光景に出会えるなんて幸運だ」と大喜び。

 

地元に住む人々は生活に影響が出ないか心配で蒼ざめる。

 

先月はインドネシアジャワ島で地震が発生して大きな被害が出た。

世界中、予想外の場所で自然災害は発生する。

自然災害はいつどこで起きるのか予測は非常に難しいものなのだ。

 

 

お茶の間に光り続ける赤い電源ランプ

静岡県では何十年も前から「富士山は噴火する」とか「大地震が起きる」とか

静岡県民は散々脅され続けていた。

静岡出身の私の実家には県から設置を要請されて黒いボディーの地震警報専用の

ラジオが小学生の頃から食器棚の茶碗とお皿の間に長い間ありがた~く鎮座していた。

 

地震が起きる」前提で置かれたそれは、いつ警報が鳴るのかわからない。

当然24時間電源は入れっぱなし。

常に赤い電源ランプが食器の横で光っていた。

 

食器棚から見下ろしていたそれは最後まで何の役にも立たなかった。

黒いボディーを見るたびに不安を感じていた人々の気持ちは

全く予測されずに終わったようだ。

 

地震がもうすぐ起きるぞ!より防災準備を伝えましょうよ。

南海トラフ地震が30年以内に80%の確率で発生する!」

静岡県駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震

であるが、その根拠となるデータが、近年発達した技術により開発された観測機器に

よる正確な数値ではなく江戸時代の古文書だということはご存知でしたか?

 

しかもその古文書の記録の内容が、全く正確でない信憑性の低いどころか

参考にしてはいけないレベルだとしたら?

 

さらに内閣府防災担当予算

令和5年地震調査研究関係予算 要求額が100億円。

令和4年地震調査研究関係予算 が64億円。

この政府の地震研究だけの予算の根拠もその江戸時代の古文書から始まったことだとしたら?

 

南海トラフなどの地震の対策費として、国土交通省は2000億〜3000億円近い予算を得ているとしたら?

 

政府からこれだけの予算が出る根拠は「この先30年以内に80%」だからです。

 

これは静岡の役に立たなかった「地震警報専用のラジオ」より遥かに笑えません。

 

思えば近年発生した大きな被害をもたらした地震は、南海トラフの地域から

外れた場所ばかりで発生しています。

どこで起きるか予想できない地震を「30年以内、80%の確率で発生」

などと国民を脅すような発表をする必要があったんでしょうか?

 

そんなに刺激的なことを発表しなくても

地震はいつどこで発生するのかわかりません。みなさん被害を少しでも

軽くできるように日頃から防災の準備を心がけてください」と国民に強く促す

だけでも良かったのではないでしょうか?

 

そうしなければいけない本当の目的があるのではないでしょうか?

 

南海トラフ地震の根拠

1905年今後50年の間に東京に大地震が起きると警告し

「ホラ吹き」呼ばわりされた地震学者、今村明恒。

しかし1923年関東大震災が発生し関東大震災の発生を予知した地震学者」

地震の神様」と称えられるようになった人物である。

 

事の発端は1930年、旧東京帝大教授に昇進した今村明恒が高知を訪ねた際に

当主の久保野繁馬が、代々伝わる港の水深を測った記録が書かれた古文書を

見せたことから始まる。

 

久保野家は1635年土佐藩から室津港(高知県室戸市)を管理する

湊番」(※港の役人)に任命された。

 

明治まで9代続き、いくつかの代で満潮・干潮の水深の記録が残されていた。

 

これを見た今村明恒が、自分が提唱している理論を立証する上で非常に

都合がよかったのだろう。

 

「今までどこを探しても見当たらなかった資料だ、これは大発見だ!」と

大喜びしたのである。

 

その後今村明恒は地震学会誌に論文として発表するが、内容としては

「こんな資料がありました」といった報告に留めたものだった。

この時点でこの論文の本意は「信憑性に欠けるひとつの意見」と

考えていると思われる。

 

そして50年後、その今村明恒の論文を元に島崎邦彦東大名誉教授らが

「30年以内、80%の確率で発生」の発端になる論文を発表した。

 

日本政府の地震本部(地震調査推進本部)は、この論文の仮説が

地震は一定周期で起きるという説明にうってつけだったため

地震学者たちの「このデータは信憑性に欠けるから公にするのは不適切だ」

という忠告を無視して、「事を重大に見せないと予算が取れない」という理由で

「30年以内に80%の確率で大地震が発生する」という国民を脅迫する話を

堂々と公表したのです。

 

そしてこの古文書の資料。

満潮・干潮の水深が淡々と測られているだけで詳細とは言えない資料。

今村が閲覧したとみられる「室戸港沿革史」に記された、室津港の深さの記録

宝永地震 (江戸時代、宝永4年10月4日(1707年10月28日)遠州灘から四国までの沖合

震源とした江戸時代の南海トラフ地震)が起きた際に古文書の水深を測った室津港では

地震で隆起した海面下の地面を港に船がスムーズに出入りできるように

浚渫工事(水深の浅い場所を船舶が船底をこする心配がないように地面を掘り下げる工

事)を行っている。

 

地震に限らず、今も昔も安全な航路の確保と港が正常に機能するように

浚渫工事は絶対に必要な作業なのだ。

 

ところが、古文書の資料そのことにはほぼ触れずにその後も淡々と水深の測量は続けら

れた。

測量の目的が「地殻変動の推移を調べるため」ではなく「日々測量する」こと

だったのだろう。

 

日々熱心に測量を続けることは大変な苦労だっただろうが、その労力と測量結果は

現在では全く参考にできない無駄なものなのだ。

 

島崎邦彦東大名誉教授らは、この資料を再確認しなかった理由として

「旧東京帝大 今村明恒教授の論文を尊重した」

「大本の古文書の資料が存在していることも知らなかった」としている。

 

しかし、研究者として大本となる資料を調べなかったのは如何なものか。

今村明恒教授の論文(報告書に留めていた論文)から

「30年以内に80%の確率で大地震が発生する」と発表してしまう無謀さと

「日本国民を守るため」という目的ではなく

「より多くの巨額な予算を取るため」の手段として無理やり立ち上げた

❝大袈裟で都合の良い看板❞のように見える。

 

こういったことはもっと公の場で議論されるべきだと思えるのだが

どうなるのだろうか?

 

ただでさえ不安定な世情の中、これ以上脅される側はたまったものではない。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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