ものおもいのほほん

ゆるゆるとおもいのまま

居住可能な巨大迷路

愛知県瀬戸市『菱野団地』は、1970年頃に始まり

現在は人口12000人程。

古き良き時代を今に伝える瀬戸市民の生活の場所です。

八幡台・原山台・萩山台・菱野台の4つの区域からなる

大型住宅団地です。

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建物は老朽化したところも多いのですが、

懐かしい雰囲気の商店街や保育園や学校などがあり

ほのぼのとした落ち着きのある佇まいの団地です。

 

驚いたことにこの団地の設計は

地元愛知県出身の建築家黒川紀章なんですよ。

日本で一番有名な建築家ではないでしょうか?

確かテレビのCMに出ていたことも影響しているのでしょうか。

 

黒川紀章の代表作と言えば

中銀カプセルタワービル・国立新美術館豊田スタジアムなど

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初期の個性的なものから後期のスケールの大きい流麗なものまで

数多くの作品が残されています。

 

その中でも菱野団地は初期のもので、とても個性的です。

地図で見ればこの通り

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f:id:monoomoi2020:20211120001417j:plain・・・まるで巨大迷路🙄

 

更にこの団地、広大な山に建設しているため山をぐるーっと一周通る道と

山の上り下りもあり、巨大迷路としてはとても優秀なのです。

 

この団地は「良い環境・交通安全・便利な生活」をコンセプトに

設計されたそうです。

 

1980年代に巨大迷路は一時期ブームになりましたが

時代を先取りし団地に❝遊び心❞を加えるなんて、さすが黒川紀章

一味違います。…どんな味?

 

数十年、この団地に住んでいらっしゃる方のお話ですと

いまだに全貌を把握していないし、道に迷うそうです。

設計のコンセプトの❝便利な生活❞とは少々ズレがあるようですね。

 

しかし住んでいらっしゃる方達のお話から察すると

長年住み慣れた『愛着と幸せのある場所』であることは間違いないようです。

道に迷うことも脳トレの代わりになるようで楽しいそうです。

 

多少の不満は、時が解決してくれたようですね。…一部の人にはね…。

 

現在瀬戸市では『菱野団地再生計画推進協議会』を発足し

菱野団地がより安心・安全で住みやすい場所にすべくプロジェクトを

進めています。…がんばれ瀬戸市!…私は瀬戸市民じゃないけど。

 

団地に住む全ての人が❝愛着と幸せのある場所❞になるといいですよね。

 

今度は❝遊び心❞はいらないと思います。…巨大迷路は永遠に不滅です。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。