今年の季節の移り変わりの速さときたらまるで走馬灯の様で、気持ちの切り替えに少々戸惑う。
近所の公園前のコスモス畑でようやく秋に追いついた。
畑の中央に向けて細い歩道があり、そこへ入るとコスモスの花に囲まれる。
一歩進むたびに草を踏む乾いた音がする。
ふと立ち止まり夕日の花畑を眺め、今年の熱く長い夏を思い出す。
またひとつ進み枯れた草のパキッという音と共に疎遠になった友の顔が浮かぶ。
今頃どうしているだろう。
三歩すすみ振り返ると花畑の周りに子供連れの家族や若いカップルが仲睦まじく笑顔で記念写真。
生まれ故郷の親兄弟、楽しく幸せなあの頃の家族の姿が重なる。
前を向き正面に向かって歩を進めると、花もまばらになった。
目を細め眩しい夕日を浴びながら、風に揺れる秋桜をただ眺めこの先の行く末に
一抹の不安を抱えつつ、❝それでも一歩づつ進んでいかないと❞と少し勇気が湧いたのでした。
歳を重ねるにつれて踏みしめる一歩は重くなっているようです。
ここまで来ると少しばかり覚悟がいるようですね。
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