予定通り、本日7月27日大腸検査(正式には大腸内視鏡検査)を受けに病院へ行く。
「この避けられない現実を!この壁を越えて明るい未来に飛び出すんだ!」
などと、いい年してこんなこと考えながら、清水の舞台から飛び降りる気持ちで
いざ受付へ。(オーゲサ。)
その前に、ちょいと前日譚なのだが、昨日夜2種類の下剤を飲んだ。
- 午後8時 ピコスルファートナトリウム10ml
- 就寝前に センノシノ錠12㎎を2錠
『朝になるころに自然な感じでお通じ出るのかなー?』などと
非常に無警戒&楽観的&スケジュール表通りでもあるしで、飲んだのだが
これが結構悩ましい夜の幕開けになろうとは・・・。
まずは、
夜中2時強烈な腹痛で目が覚めトイレに駆け込む。
さらに、
夜中4時またもや腹痛が走る。2時に出切ったと思ったのになぜ?
と思いつつトイレに。
布団に戻っても眠れないどうしよう焦れば焦るほど脳が覚醒していく。
ようやくウトウトしだした頃
これでもか~!
朝方 あ~まさか!3回目の腹痛。速攻でトイレに
今度はかなり緩いものが出た、これでもう出ないだろうと思いつつ
床にまた就こうとも思ったが もう朝の6時30分あきらめて起床。
こんな一夜を過ごしたため、寝不足&憂鬱&絶食によるカラ元気という複雑な状態で
8時55分病院内受付に到着。
「内科受付でお待ちください。お呼びしますね💛」と、かわいらしいお姉さんに
言われ心の中で「絶対呼んでね💛」と、おバカなことを思いながら、ご老人のたまり場の様な内科の待合室の長椅子に座る。
程無く、ちょっと低い声の看護師のおばちゃんが私の名前を呼んだ。かわいくない。
受付近くの3~4畳くらいの冷暖房完備、簡易ベット付きの快適そうな個室に入る。
「それでは今から長い時間をかけてこのお薬をコップ一杯に入れ替えながら飲んでください」と目の前にスポーツ飲料の様な白く濁った液体が2リットルは入っているだろうボトルが ドン!とおかれてその隣に180ml入りのちっちゃなコップが置かれている。
その前に表が置かれており色々と記録しながら飲まなくてはいけなかった。
チェック項目は
- コップ一杯毎の飲み始める時間
- コップ一杯毎の飲み終わった時間
- 飲んでいる間にトイレに行った回数
- トイレで排泄物の固形物やカスの有無と色のチェック項目
※色は4段階 おなじみの茶色から澄んだ黄色まで
めんどくさ!(+_+)
9時33分から開始した。
まずはひと口 あっポカリって味 これなら楽勝で飲める と思うのだが
ちびりちびりと一杯を10~15分かけて飲まなくてはいけない。
「ごくごく飲んではダメですよ💛」って、おばちゃんから釘を刺されているのだ。
まあ、ゆっくりやろうかと持参した本を読みながら、まるで濁り酒をちびりちびりと
飲むような体で時間を過ごす。
でもね、よく考えれば、毎日仕事でバタバタと過ごし、家に帰れば今日はあーだったこーだったと奥様のお話を聞き、夕食後のあとかたずけをすべて請け負い、入浴後の風呂の掃除を毎日こなし・・・「こんなゆっくりとした時間の過ごし方ってなんか贅沢だよな」と 束の間の安らぎを感じていた。
感じていたのはようやく4杯目に入ったあたりだった、本当に束の間だった。
クルッ!クル・・クルクルクルと目の覚めるような腹痛が襲ってきたのだ。
ここで、本来の目的を思い知らされる、腸の中に残っているものを全て排出しなければならない!っていう現実。
腹痛に耐えながら個室を出て10メートルほど先のトイレへ。
10メートルが悩ましい。
その後、どれだけトイレのドアを開け閉めしたことか、排泄物も澄んだ黄色い液体になり、1杯を10~15分かけて飲むなどどうでもよくなった。しかしせめてちびりちびりは守りようやく最後の1杯を飲み干した。時計を見たら午後1時40分。
なんという長い戦いだったか。本も半分も読めてない。
看護師さんに終了したことを告げ引き続き個室で待機その間もトイレに4回通った。
予定では午後2時から本戦である大腸検査を始めるはずなのだが時間は午後2時20分
を過ぎている。
個室のドアをノックする音がする。一瞬、ついに来たか!と身構えたのだが、看護師さんが申し訳なさそうなしぐさでこう伝えてきた。
『前の検査の方がまだ終わってないので申し訳ありませんがしばらくお待ちください。』
前の検査の方、あまりの痛さに暴れまくって検査が長引いているんだ、戦ってるんだ。
となんとなく思った。検査が下手なんだろうか?まだ新米の人が担当だったらどうしよう・・・とっても不安だ。などと考えているうちに運よく眠りに入ることができた。
不安とはいっても寝不足だったこともありスッと夢の世界へ。
ノックの音・・・美しい草原に立っているのになぜ?
看護師さんが私の名前を呼ぶ。
とうとう本戦だ。
検査室に移り、身に着けている貴金属類を外し、検査着に着替える。
検査着のパンツはお尻に穴が開いたやつだ。なんか恥ずかしい。
着替え終わりさあ診察台に行くのかと思ったら、『今から点滴しますね』という
『右利きですか?左利きですか?』と聞かれた。非常に迷った。両利きなのだ。
普段は全く意識がないのだが、右でも左でも違和感なく同じことができる。
それを伝えたら『すごいですね~』という。
今更この年でそういわれても、両利きで特別得したことなどなかったし
うれしくもない。それよりどうも何か迷っているようで、針を刺せる浮き出た血管が
見当たらなく焦っているようだったので『焦らなくていいですから』と伝えようやく
右手に決定。点滴をつけたまま検査台に左を下にして横になる。
お尻の穴の周辺にぬるぬるしたジェル状のクリームを塗られさらに腸の動きを止めるための注射をされた。麻酔だろうかズーンとした鈍い痛みが走る。
ここで検査の先生に『よろしくお願いします』(心の中では、痛くしないでね!)
と挨拶をしてここでようやく覚悟を決めた。
これでこの検査は2回目の経験だ。どうか前回のような地獄ではありませんように。
先生の手には先端がまぶしいほどに光り輝く黒いホース状のカメラが握られている。
それを見たとたん体に力が入る。
『ちょっと押される感じがしますが我慢してくださいねー』と先生。
ちょっと押されるっていうか無理やり入ってくるって言った方がいいのだが
ちょいと痛いなこれは。しかしスポンッと中に入った、腹の中に異物が入った
痛みは無い今は・・まだ。ただただ気持ち悪い。
腸の中をぬるぬるとカメラが進んでいく、さらに体に力が入る。
この先に待ち構える恐怖におびえている。
そう、この先の魔のカーブ。腸の曲がり角だ。
耐えきれず先生に話しかける、少しでも気が紛れればと藁おもすがる気持ちで
『前もそうだったんですけど腸の曲がり角痛いんですよねー?』なんてね。
程無く先生が『はい、そろそろまがりまーす』といった。
途端に強烈な痛みが、腸を突き抜けるんじゃないかという激痛が走る。
当然口から出る言葉は、『イタイッイタイッイタイッイタイッイタタタ!!』
これが何回も続けて襲ってくる。拷問だ地獄だ。しかし耐えるしかない。
カーブを曲がり切れば嘘のように痛みは消える。
『今痛みが無くなりましたぁ』と伝えると『そうなんですね』とそっけない返事
それどころではないのか、そんなことどうでもいいのかわからないが、そんな間も
カメラの移動はさらに奥へ突き進む。再度激痛が襲う次のカーブに差し掛かったのだ。
『イタイッイタイッイタイッイタイッイタタタタタタタタ!!』
耐えるしかない。
2回のカーブを曲がり切ったあたりで先生が言う
『そろそろ一番奥の終点でーす』電車のアナウンスじゃないんだからと
内心、ややウケしたところで『じゃあこれからカメラで見ていきますね。』とのこと
。ぐりぐりと入ってくるときはカメラで見てないんだ?と初めて気づく。
※でも実際にはどうなのか確認はしていません。
その帰り道しばらくして『小さいポリープを見つけました!とりますね。』という。
えーっどーしよー!
先週、検査の説明の際に
「ポリープが見つかって取った時点で一泊ですが入院してもらいます。」
と言われているのだ。一応その場合の準備も用意してある。
動揺している間にホースの中に器具をスルスルと通している。
腸の動きを止めているからか全く痛みもなく終了。
カメラは再び帰路に戻った。
腹の中から徐々にカメラが引っ込んで行くのがわかる。
魔のカーブの恐怖もあったが、帰りはちょっと気持ち悪いくらいで難なく
通り過ぎていく。
『はーい、そろそろ終わりですよー。』と軽やかな先生の声に安堵。
カメラが出口に差し掛かり、むぎゅーと無理やり出ていく次の瞬間
ちゅぽっ
私は耐え抜いた。恐怖に打ち勝ったのだ!(内心、やったー終わったーうれしー)
仕事の取引先の社長が最近大腸検査を受けたのだが、あまりの恐怖に麻酔で眠っている間にことを済ませている。「いや~楽でしたよ。一瞬で眠りに入って目が覚めたら終わってるんで、麻酔で正解でした。」と言っていた。
私から見れば【卑怯者】である。この恐怖を越えなければ、乗り越えてこそこの検査の意味を把握できより理解することができるのだ!
(内心 でもね、楽な方がいいに決まってるから麻酔で寝てる方がいいよ。痛くないし恐怖もないから。ほんと麻酔が正解。)
その後お尻の穴周辺を拭いてもらい点滴はそのままで車椅子に座り、処置室へ移動
ここでは患者さんの採血や血圧を測るなどの作業、それとカーテン付きのベッドが複数ありここで点滴も受けられる。
検査着の穴あきパンツをもとのパンツに履き替えベッドに横になって点滴の続きへ
『それから今日オナラを必ず出してくださいね。遠慮なくブヒッと出していただいて構いませんから』とのこと。どうも重要なことのようだ。
カーテンが閉められ個室状態に点滴の残量からすると30分程はゆっくりできそうだ。
ゆっくり目を閉じる。
しかし甘かった。この処置室隣は小児科があり処置室入り口のドアはいつも開放されており廊下を行きかう人の足音や話し声が筒抜けなのだ。
なので小児科に向かう子供の ヤダぁウチニカエルぅウエ~ン
という金切声、叫び声で 眠れない!絶対。
そんな中、処置室にお母さんと話から察すると5歳くらいの女の子が採血のため
入ってきた。この病院では、処置の前に患者さんの名前・生年月日を言うことになっているのだが、この子はとても内気な子らしく恥ずかしくて話せないらしい。
代わりにお母さんが看護師さんに伝えた。
まあ、なんて愛らしい子だろうか?
無事に採血が終わった。お母さん曰く「この子は個の病院だけは泣いたりしないんですよ。ほかの病院だと泣き喚いて困るくらい、ここに来る時だけすんなり来るんですよ」
という。看護師さんも「そう言ってくださると私たちもとてもやりがいを感じます。ありがとうございます。」と返した。
ここの看護師さんが皆さん優秀なんだなーと思えた。今日も無事に検査できたのも看護師さんのおかげである、本当に感謝したい。ありがとうございました。
そんな気分のころで点滴も終了。
オナラもブヒッと何回も出し無事終了。
さて入院なのかな?と思いきやこう言われた。
『今日はこれで終わりです。検査の結果は一週間くらい先に担当の先生から報告しますので8月5日頃にまた来てください。』とのこと。
会計で 9740円支払い駐車場の車に乗り込み帰路となった。
よかった入院無くて。
家に戻りようやく朝食にありつける。時刻は午後4時を周っている。
看護師さんから 消化のいいものを食べるように言われているため
冷蔵庫にある冷凍うどんで素うどんを1杯食べる。
まだ検査の後遺症かおなかの中が痛い、食欲もそのためあまりないのだが
体のために食す。
侘しい、だがほっとした。
しかしやっぱりこの検査は二度と受けたくない。
担当の先生も言っていたが、普段から暴飲暴食は控え規則正しい生活を送るように気を使っていれば、内臓の健康も保てるとのこと。
とても王道な正論だが真実なんだろうな。
世の中、複雑なことは多いが、意外と結論は単純明快なことが多いものだ。
そうだな、60歳もすぐそこに見えてきたしここは素直に見直していこうと
改めて思うのである。